骨粗鬆症にならないために

骨粗鬆症とは、カルシウム不足から骨の密度が減少し、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって弱くなる病気です。現在、日本では約500万人もの骨粗しょう症の患者さんがいるとされています。

骨粗鬆症は起こる前に予防したい病気です。骨粗鬆症は特に閉経後女性に顕著に見られる疾病です。多くの骨粗鬆症は、はっきりした病気がなく、閉経や加齢による生理的な骨量の減少が何らかの原因でひどくなったもので原発性骨粗鬆症といいます。女性は閉経後に急激に骨量が減るため50歳すぎから、男性は80歳ごろから急に骨粗鬆症になる頻度が増えます。

せっかく作った入れ歯がすぐにあわなくなるといった場合もあります。特に女性の場合入れ歯の寿命が短いのです。

 骨は固いので、一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず活発な新陳代謝をしています。

身体の細胞と同じで、丈夫でしなやかな骨を保つためには、古い骨を壊し、たえず新しい骨に作り変える必要があるのです。これを骨代謝といいます。ところが、骨のもとになるカルシウムの摂取が不足したり、身体が老化して骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。

こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。こうなると骨折しやすくなり、ほんの少し転んだだけで大変なことになります。

日頃から予防に努め生活の質を高め元気な老後を過ごしたいものです。

 <骨粗鬆症を予防するには>

骨粗鬆症を予防し、骨を強くするための三原則は、食事・運動・日光浴です。

[食事]

魚貝.GIFカルシウムを多くとるように心がけましょう。カルシウムは大豆製品や乳製品、小魚、海草、緑黄野菜などに多く含まれています。カルシウムは吸収されにくい栄養素ですが、良質のたんぱく質やビタミンDを多く含む食品といっしょにとると、吸収がよくなります。 カルシウムは1日600ミリグラム、できれば800ミリグラム摂取したいものです。

※ビタミンDが多く含まれる食品→肝油、魚、卵黄、しいたけ、酵母、緑茶など。

[運動]

骨には荷重がかかっていることが必要です。適度な運動で骨が刺激されると、体内に入ったカルシウムが有効に使われ、骨量が増えることがわかっています。骨を強くするための運動は、重量挙げのような負荷の大きい運動ほど有効ですが、ふつうは散歩やゲートボールなどの趣味の範囲で楽しみながら続けることです。

30分程度の散歩を続けることによって、骨といっしょに身体を支えている筋肉も強くなり、身のこなしがよくなりますので、転倒による骨折の防止もできます。

[日光浴]

カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、人間の皮膚が日光の紫外線を浴びることでつくられます。ですから日光浴は骨粗鬆症の予防にとって大切です。夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間程度の日光浴で十分です。

外に出る習慣を作るとよいでしょう。ガラスは紫外線をあまり通さないため、窓越しの日光浴ではあまり効果はありません。