顎関節症その2

食べ物がおいしい季節になったのに、食べている時に顎のあたりが「カクカク」とか、「コキコキ」とか音がするとか、アゴの痛みを伴うことはないですか?
あるいは口が開きにくくなったことはないでしょうか?
顎の調子が悪くて、好きなものが食べられない。食べたくても顎の痛みが気になって、ちょっと・・・と考えることがありませんか?そんな方に顎関節症についてお話したいと思います。
顎関節症 (がくかんせつしょう)
– 自覚症状 –
・ 口が開かない(指を縦にして3本入らない)
・ 口の開閉時に音がする 顎をずらさないと開口できない。
・ 顎関節周辺が痛い
・ 顔の変形(口角の位置異常)
・ 物を噛むとき顎関節が痛む
・ 慢性的な頭痛、耳鳴り。

上記のような症状が出た場合は必ず口腔外科か歯科医院で診断を受ける事をお勧め致します。
レントゲンやMRIで顎関節を調べることが必要な場合もあります。


◆ 原因
このような症状は、様々な生活習慣の悪癖によって起こる、咀嚼筋の片側的な収縮による場合が多く見られます。
・子供の頃何度も噛まなければ食べられない食物(硬い肉、玄米、タコやイカ)を摂らず、軟らかい食物ばかり摂ることによって顎の筋肉が発達せず、顎関節がずれやすくなっている。
・顎関節をずらして口を大きく開ける癖がある。
・片側ばかりで食物を噛む ・・・咀嚼筋の片側的収縮
・顎を左右にずらす癖がある ・・・外・内側翼突筋の片側的収縮
・片側ばかりの横向きやうつ伏せで寝る ・・・咬筋及び側頭筋の片側的収縮
・片則的な姿勢、ねじれの姿勢の状態を長く維持する ・・・胸鎖乳突筋及び舌骨筋群の収縮
・片方ばかり頬杖をつく ・・・咬筋の異常
・パソコン等で下向きの時間が長い ・・・舌骨筋の収縮
・ストレスによる噛み締め ・・・側頭筋の収縮
このような場合はスプリント療法や精神安定剤の服用などの処置しか取られていないのが現状です。水やおかゆなどしか食べられない方や指1本しか口が開かない方、長年のクリック音に悩まされている方など、筋肉異常の調整により顎関節の負担を取る事で、長年の苦しみから解放されている方が多くおられます。
※スプリント療法とは主に夜間・口腔内に装着していただくもので、スポーツ選手がプレー中に装着するマウスピースと似ています。スプリントには何種類かありますが、主に咀嚼筋の弛緩を促す、下顎の安定をはかる、また、顎関節腔の拡大をはかることを目的としています。